
レザークラフトは、何も知らずに始めると失敗しやすい趣味です。
革の種類や作品に適した厚み、必要な道具など、最初に知っておくべきことが意外と多く、特に独学だと迷いやすいです。
筆者も基礎を知らないまま始め、革選びや道具選びで多くの失敗を経験しました。
この記事では、その実体験をもとに、初心者が最初にハマりやすい失敗3つと具体的な回避策を解説します。
失敗① 革の種類を知らずに選んでしまう
レザークラフトで使われる革は、大きく分けて「タンニン鞣し」と「クロム鞣し」の2種類があります。
一見どちらでも良さそうに思えますが、YouTubeや書籍で紹介されている多くの作品はタンニン鞣しを前提に解説されています。
クロム鞣しは、コバを磨いて仕上げることが難しく、溶剤で固めたりヘリ返しといった工程が必要になるため、初心者には扱いづらい素材です。
| 革の種類 | 特徴 | 価格 | コバ処理 |
|---|---|---|---|
| タンニン鞣し | 硬めで丈夫。経年変化(エイジング)を楽しめる | 高価 | 磨いて仕上げることができる |
| クロム鞣し | 柔らかく、水に強い。経年変化(エイジング)が少なめ | 安価 | 溶剤で固めたり、ヘリ返しという技法が必要になる |
結果、縫い穴は曲がり、コバはきれいに仕上がらず、落胆。革を無駄にしてしまいました。
初めての1枚はタンニン鞣し革を選べばOK
ハリがあり、しっかりとしたタンニン鞣し革は、穴あけやコバ磨きがきれいに決まりやすい素材です。仕上がりが整うだけで、作品の満足度は大きく変わります。
初作品でつまずいてしまうと、そのまま挫折してしまうことも少なくありません。だからこそ、最初の1枚はタンニン鞣し革を選びましょう。
次に、初心者がやりがちな“もうひとつの落とし穴”も解説します。
失敗②:革はぎれを買ってしまう
価格が安く「初心者向け」と紹介されることも多い革はぎれ。ですが、実はここにも落とし穴があります。

レザークラフトで最も重要なのは、作品に合った厚み・サイズを選ぶことです。
こちらは、実際に筆者が革はぎれで作った初期のころの製品です。

本来はフタ付きのカードケースを作る予定でしたが、必要なサイズが取れず、簡易的なカード入れに変更。
さらに厚い革しかなく、不格好な仕上がりに。「思っていたのと違う…」と落ち込み、やめたくなったのを今でも覚えています。
初心者が最初に買う革は?おすすめの厚みとサイズ
大切なのは、安さではなく作品に合った厚みとサイズを選ぶことです。
この厚みであれば、カードケースなどの革小物から長財布まで幅広く制作できます。
一例として、栃木レザーのB級品は初心者でも扱いやすい選択肢のひとつです。
厚みやサイズを選べるため作品に合わせやすく、B級品のため価格も比較的抑えられています。
初めての1枚で失敗したくないなら、最初から扱いやすい革を選ぶのが結果的に一番安く済みます。
失敗③ とりあえず道具を買いすぎてしまう
筆者は、道具から入るタイプなので、あれもこれもと揃えることから始め、3万円分の道具をそろえました。しかし、今まで一度も使用していない道具もあります。
作ることよりも“道具を調べて集めること”が目的になっていて、実際に作品を作り始めるまで遠回りをしてしまいました。時間もお金も、無駄にしてしまったと感じています。
レザークラフトで一番大切なのは、最初の1作品を完成させることです。失敗をしないためには、本当に必要な道具のみをそろえ、足りないと感じたときに買い足していけば十分です。
最初に必要な道具リスト
この道具があれば、カードケースなどの基本的な革小物は問題なく制作できます。まずはここから始めましょう。
| 道具名 | 用途 |
|---|---|
| カッター | 革の裁断 |
| カッターマット | 裁断時の下敷き |
| 直線定規 | 裁断時のガイド |
| ゴム系ボンド | 革パーツの接着 |
| 革用手縫針(丸針) | レザークラフト専用の針(手芸用ではないので注意) |
| ライター | 縫い糸の始末 |
| 紙やすり | コバ(革の切れ端)を整える |
| ハンマー | 打ち具を打つ |
| ウッドスリッカー | コバをきれいに磨く |
| ゴム板 | 菱目打ちの下敷き |
| 菱目打ち(4㎜巾×4本目) |
縫い穴をあける |
| レザークラフト用糸 |
専用の強度がある糸 |
| トコノール |
革の毛羽立ちを抑える溶剤 |
これ以上の道具は、作りたい作品が決まってから検討すれば十分です。最初から完璧を目指す必要はありません。
なお、こちらで紹介している道具の多くは100均でも揃えることができます。一方で、100均では揃わない重要な道具もあります。詳しくはこちらで解説しています。
道具を集めることに時間とお金を使うよりも、まずは1つ完成させること。完成体験こそが、レザークラフトを楽しむ一番の近道です。
まとめ|遠回りしなければ、レザークラフトは楽しい
レザークラフト初心者がハマりやすい失敗は、次の3つです。
- 革の種類を知らずに選んでしまう
- 革はぎれを買ってしまう
- 道具をそろえすぎてしまう
どれも「知らなかっただけ」の失敗です。
筆者も同じように遠回りをしましたが、正しい順番で始めるだけで、無駄な出費や挫折は防げると実感しています。
大切なのは、最初の1作品を完成させること。
完成体験ができれば、レザークラフトは一気に楽しくなります。そしてその延長線上に、副業という選択肢も見えてきます。
まずは扱いやすい革と、必要最低限の道具で、小さな作品から始めてみてください。
遠回りしなければ、レザークラフトはちゃんと続きます。