
キャッシュレス化が進む中で、財布に求めるものが変わってきました。
小銭入れは使わない。でもカードはしっかり持ち歩きたい。
そんな使い方に合わせて、カード6枚収納×小銭入れ無しのコンパクトな二つ折り財布を制作しました。
この記事では、実際に販売用として制作している設計をもとに、型紙から作り方まで詳しく解説します。

構造とポイント
今回紹介する財布は「コンパクトかつ・カードを使いやすく収納すること」を重視して設計しました。
まずは、構造とポイントを解説します。すぐに作り方を見たい方はこちらへお進みください。
財布の寸法
完成時のおおよそのサイズ感は、以下の通りです。

| 状態 | 幅 | 縦 |
|---|---|---|
| 折り畳み時 | 11cm | 9cm |
| 展開時 | 22cm | 9cm |
カードを取り出しやすくする形状

カードポケットの開口部は、中心に向かって少しカーブをつけた形状にしています。
見た目だけでなく、実際の取り出しやすさにも直結するため、販売用の財布でも採用している形状です。
財布を閉じやすくする設計
折財布を作る場合、外側の革と内側の革を同じ長さで作ると、うまく閉じられなくなることがあります。
今回の財布では、外装と内装の差を12㎜に設計することで、閉じやすい構造になっています。

カードポケットの接合部の縫いピッチを変える
今回、基本的なピッチは4mmですが、カードポケットの接合部分のみ5mmに変えています。
カードポケットには薄革を使うことが多いため、通常のピッチだと革端が裂けやすくなることがあります。
そのため、接合部分のみ5mmピッチに変更し、端への負荷を減らしている工夫です。
隠し収納+お札収納


メインとなるカードポケットは開くようになっていて、後ろにもカードを収納できます。それに加えて、背面にはお札収納もできるため、収納量があります。
今回紹介したポイントは、すべて実際の制作や販売の中で改善を重ねてきた内容です。
ここからは、実際の制作工程を解説します。
型紙の準備
今回の型紙は、縫い穴位置込みの無料PDFとなっています。
Googleドライブ経由で安全にダウンロードいただけます。
制作準備|材料と道具
ここから、制作工程に入りますが、作り方は「縫い方・コバ処理などの基本工程」を理解している前提で解説しています。
先に基礎を知っておくことで、ズレや失敗を大きく減らせます。
はじめての方は、以下の記事を読んでからがおすすめです。
▶ 【まずはここから】失敗しない6つの制作工程をまとめて解説
使用する材料
| 材料 | 備考 |
|---|---|
| 本体・内装用のヌメ革 | 1.5mm前後(約200mm×320mm程度) |
| カードポケット用の薄いヌメ革 | 1.0mm以下の薄革(約150mm×180mm) |
| 縫い糸(ビニモMBT 5番) | 強度・耐久性が高く、毛羽立ちにくい |
今回は、本体に1.5mm前後のヌメ革、カードポケットには1.0mm以下の薄革を使用しています。
厚みを変えることで、収納力を確保しながら財布全体の厚みを抑えています。
使用する道具
今回の折り財布は、基本的なレザークラフト道具があれば制作することが可能です。
| 道具 | 用途 |
|---|---|
| オルファ 別たち | 革の裁断 |
| カッターマット(100均) | 裁断の下敷き |
| 菱目打ち 4本目 4mm巾 | 縫い穴あけ |
| 菱ギリ | コーナー、カードポケットの縫い穴あけ |
| ゴム板 小 | 菱目打ちの打ち台 |
| 木槌 | 菱目打ちを打ち込むための打ち具 |
| へりおとし No.1 | 革の端の角落とし |
| トコノール | 床面・コバの仕上げ剤 |
| コーンスリッカー | トコノール塗布後の磨き |
| 皮革用 白ボンド | パーツ同士の接着 |
| 手縫針 | レザークラフト専用縫い針 |
作り方|下処理
STEP1|縫い穴あけ・切り出し・床面処理
作り方|ポケットパーツの制作
ポケットパーツは、左右同じ構造のため、片側を例に解説します。反対側も同じ手順で制作してください。
STEP2|ポケットパーツのコバ処理
STEP3|ポケットパーツB(奥)の取り付け
STEP4|ポケットパーツB(手前)の取り付け
STEP5|ポケットパーツAの取り付け
STEP6|ポケットパーツの縫製・コバ処理
作り方|仕上げ
STEP7|内装へポケットパーツをつける
STEP8|外装との貼り合わせ・縫製
STEP9|仕上げ
これでカード6枚収納・キャッシュレス対応の二つ折り財布の完成です。
よくある質問(FAQ)
基本の「裁断・穴あけ・手縫い」ができれば制作可能ですが、パーツ数がやや多いため、まず名刺入れやカードケースで経験を積んでからの挑戦をおすすめします。
▶ 【無料型紙】3時間で作れる本革名刺入れの作り方本体・内装は1.5mm前後、カードポケットは1.0mm以下の薄革を推奨します。ポケット部分に厚い革を使うとカードが入らなくなるため注意してください。
まとめ|カード収納に特化した財布は、設計から変える
カードをたくさん入れたいなら、既製品の財布に合わせるより、最初から収納に特化した設計で作る方が使いやすくなります。
この財布は、カード6枚・小銭入れなし・背面収納ありという構成を、試作を重ねて行き着いた寸法でまとめた設計です。